バンコクで一番の隠れ家タイ料理食堂なんじゃないかと思う「ハンポチャナー(ハンポーチャナー)」。それもいわゆるオシャレを「狙った」隠れ家じゃなく、なんでこんな場所に?、こんなところで商売が成り立つの?、という疑問だらけの食堂なのだ。
※旧ブログの記事(2019年当時の情報)をリライトして掲載しています。
超隠れ家食堂発掘される
この食堂を知ったのは「タイ行ったらこれ食べよう!」の著者・白石路以さんのインスタグラム。
しばらくして詳細が「TRIPPING!」に掲載され、「隠れ家度数がずば抜けて高い」とか「近所の人すら気づかないのでは」なんて書かれているもんだから、ますます行きたい欲が…。タイに関していえば、ハードルが高ければ高いほど燃える性格。そう、ある意味「ド変態」なのかも。
その後、バンコクで発行されているフリーペーパー「DACO」や、「BRUTUS」にも掲載。前よりはハードルが下がったとはいえ、かなりの「隠れ家」であることに変わりはない。
ハンポチャナーへの行き方
ハンポチャナーがあるのはフアランポーン駅から南西方向にある旧市街・タラートノイ地区。チャオプラヤー川に近く、昔ながらの住宅と、それを活かしたオシャレな店が混在する、写真好きにはたまらない場所だ。

宿泊先のロイヤルオーキッドシェラトンから歩いて向かおう。
ホテルを出て左(北)へ歩くと、すぐ見えてくるのがリバーシティーというショッピングモール。この奥にはチャオプラヤーエクスプレスボートのシープラヤ船着場があるので、船で来るならここから歩くのがオススメだ。

しばらくすると細い路地になるけれど、気にせずそのまま真っすぐ。

少し開けた場所を通ればもうちょっと。

やがて見えてくる味のある古い住居(Realrare Taladnoi)。

ここはバンコクデザインウィーク2020で展示会場のひとつだった建物だ。
この脇のSoi Fleat Sap Sinという路地を進もう。
数十m先のこのアパートが目的の建物。この中に食堂があるって信じられるだろうか? 入口が鉄格子になっていて、ウエルカムな雰囲気はみじんも感じられない。


ここを突破しアパートの1階に行くと、そこにはまた部外者を拒むかのように、鍵がかかったガラス扉が。


2階にある店へ行くには、ここにあるチャイムのボタンを押し、店主が鍵を開けに来るのを待たなければならないのだ。チャイムがどこにあるのかわからなければ、常駐している警備員に聞けば教えてくれるらしい。
オートロック自体は、バンコクでは古くてもある程度の規模のアパートなら珍しくないが、食堂へ行くのにこのセキュリティーの洗礼を受けることはなかなかないだろう。
階段もしくはエレベーターで2階へ上がっても看板の類は一切なし。


薄暗い廊下を進むと、やっと目的の「ハンポチャナー」に到着することができるのだ。


食堂? それとも家のダイニング?
窓際の席に座り、あらためて周りを見回してみる。


客用のテーブルはたったの3つ。食器や調味料、炊飯器や扇風機などが雑然と並んでいる店内は、食堂というよりどこかの家庭のダイニングといった雰囲気。テレビはさっきまで店主が見ていたであろうドラマが流れている。


店の奥、といっても席からすぐのキッチンで、調理をしているこの店の店主・ハンさんの背中を見ながら料理が出来上がるのを待つ。親戚の家にでも遊びに来たかのような雰囲気だ。
窓からの景色も平凡なものだけれど、心地よい風とともに、ゆったりと時間が流れているような、なんとも言えないリラックスした気持ちになれたのは何故だろう。


シンプルだけど絶妙な家庭料理のようなメニュー
しばらくして運ばれてきたのはクンガティアムプリックタイ。


エビとニンニクを少しの調味料とともに炒めたシンプルな料理だ。化学調味料は使用していないとのこと。ダイレクトにエビの旨みを感じることができ、ご飯が進む味付け。一皿の量がそれほど多くないので、ペロッと食べられてしまう。
もう一品はミークローブ。


細麺を揚げ、砂糖などで味をつけた料理。添えられたマナオ(ライム)を絞り、唐辛子とともに口に放り込むと、甘み、酸味、辛みが一気に押し寄せる、なんともタイ料理らしい複雑な味わい。サクサクとした食感も楽しめる。
今回紹介した以外のメニューも全品80バーツだそうだ。
たどり着くのがこんなに大変なのに、店主のハンさんを含めた店の雰囲気、メニューなど、どこをとってもなぜかホッとできる心地よさ。またふらっと立ち寄りたくなる食堂だ。


ハン・ポーチャナー
Han Pochana(ร้านฮั้นโภชนา)
住所/Soi Fleat Sap Sin, Soi Wanit 2. Charoen Krung Rd., Bangkok
営業時間/12:00 – 19:00
定休日/日曜日
※ただし営業時間の変更、臨時休業あり
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